第35章

小说:窗边的小豆豆(中文版+日文版)作者:[日]黑柳彻子字数:1173更新时间 : 2017-07-30 10:15:56

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みんなは、ひまがあると、グループになって、「サワカイごっこ」を始めた。スルメの代わりに、木の皮などを、しゃぶりながら、お酒のつもりの、お水の入ったグラスを、チビチビやりながら、「葬式まんじゅう、持ってくるからね」とかいっては、笑って、自分たちの気持ちを発表しあった。食べ物がなくても、サワカイは、楽しかった。この「サワカイ」は、良ちゃんが、トモエに残してくれた、素晴らしい贈り物だった。そして、そのときは、みんなが考えてもいなかったことだけど、これが、実は、そのあと、みんなが、別れ別れになってしまう前の、トモエでの最後の、心の通い合う、楽しい、お遊びだったのだ。良ちゃんは、東横線に乗って、出発した。優しい良ちゃんと入れ違いに、アメリカの飛行機が、とうとう、東京の空に表れて、毎日、爆弾を、落とし始めた。

    トモエが焼けた。それは、夜のことだった。学校に続いている、校長先生の家にいたミヨちゃんや、お姉さんのみさちゃんや、ミヨちゃんのお母さんは、九品仏の池のそばの、トモエの農園に逃げて、無事だった。 B29の飛行機から、焼夷弾は、いくつも、いくつも、トモエの、電車の校舎の上に落ちた。校長先生の夢だった学校は、今、炎に包まれていた。先生が何よりも愛した子供たちの笑い声や、歌声の変わりに、学校は、恐ろしい音をたてて、くずれていく。もう、手のつけようもないくらい、その火は、学校を焼いた。自由の丘の、あっちこっちにも、火の手が、あがった。その中で、校長先生は、通りに立って、トモエの焼けるのを、じーっと、見ていた。いつものように、すこしヨレヨレの、でも、黒の三つ揃いだった。上着のポケットに、両手をつっこんだ、いつもの形だった。校長先生は、火を見ながら、そばに立っている息子の、大学の巴さんに、いった。「おい、今度は、どんな学校、作ろうか?」巴さんは、びっくりして、小林先生の言葉を聞いた。小林先生の子供に対する愛情、教育に対する情熱は、学校を、今包んでいる炎より、ずーっと大きかった。先生は、元気だった。その頃、トットちゃんは、満員の疎開列車の中で、大人に挟まれながら、寝ていた。汽車は、東北に、向かっていた。トットちゃんは、別れ際に、先生が、いったこと、「また逢おうな!」それから、いつも、いつも、言い続けてくださった、「君は、本当は、いい子なんだよ」(……このことを忘れないようにしましょう)と、暗い窓の外を見ながら、考えた。そして、(いつか、また、すぐ小林先生に逢えるんだから)と安心して、寝たのだった。汽車は、闇の中を、不安の人達をのせ、音を立てて、走っていた。

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