第8章

小说:窗边的小豆豆(中文版+日文版)作者:[日]黑柳彻子字数:3568更新时间 : 2017-07-30 10:15:55

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」「ふーん」と、トットちゃんは、少し、もったいをつけて、それから、「あったほうが、いいと思うんだ。前の学校なんて、すごいのが、あったんだから!」といって、大きな声で歌い始めた。「せんぞくいけはあさけれどいじんのむねをふかくくみ(洗足池は浅けれど、偉人の胸を深く汲み)」これが、まえの学校の校歌だった。ほんの少ししか通わなかったし、一年生には、難しい言葉だったけど、トットちゃんは、ちゃんと、覚えていた。(ただし、この部分だけだったけど)聞き終わると、泰ちゃんは、少し感心したように、頭を二回くらい、軽く振ると、「ふーん」といった。その頃には、他の生徒も着ていて、みんなも、トットちゃんの、難しい言葉に尊敬と、憧れを持ったらしく、「ふーん」といった。トットちゃんは、いった。「ねえ、校長先生に、校歌、作ってもらおうよ」みんなも、そう思ったところだったから、「そうしよう、そうしよう」といって、みんなで、ゾロゾロ校長室に行った。校長先生は、トットちゃんの歌を聞き、みんなの希望を聞くと、「よし、じゃ、明日の朝までに作っておくよ」といった。みんなは、「約束だよ」といって、また、ゾロゾロ教室に戻った。さて、次の日の朝だった。各教室に、校長先生から、“みんな、校庭に集まるように”という、ことづけがあった。トットちゃん達は、期待でむねを、ワクワクさせながら校庭に集まった。校長先生は、校庭の真ん中に、黒板を運び出すと、いった。「いいかい、君達の学校、トモエの校歌だよ」そして黒板に、五線を書くと、次のように、オタマジャクシを並べた。それから、校長先生は、手を指揮者のように、大きく上げると、「さあ、一緒に歌おう!」といって、手を振り下ろした。全校生徒、五十人は、みんな、先生の声に合わせて、歌った。「トモエ、トモエ、トーモエ!」「……これだけ?」ちょっとした間があって、トットちゃんが聞いた。校長先生は、得意そうに答えた。「そうだよ」トットちゃんは、ひどく、がっかりした声で、先生に言った。「もっと、むずかしいのが、よかったんだ。センゾクイケハアサケレドーみたいなの」先生は、顔を真っ赤にして、笑いながらいった。「いいかい?これ、いいと思うけどな」結局、他の子供達も、「こんなカンタンすぎるのなら、いらない」といって、断った。先生は、ちょっと残念そうだったけど、別に怒りもしないで、黒板けしで、消してしまった。トットちゃんは、すこし(先生に悪かったかな)と思ったけど(ほしかったのは、もっと偉そうなヤツだったんだもの、仕方がないや)と考えた。\ 本当は、、こんなに簡単で「学校を、そして子供たち」を愛する校長先生の気持ちがこもった校歌はなかったのに、子供達には、まだ、それが分からなかった。そして、その後、子供たちも校歌のことは忘れ、先生も要らないと思ったのか、黒板けしで消したまま、最後まで、トモエには、校歌って、なかった。

    今日は、トットちゃんにとって、大仕事の日だった。どうしてかっていうと、いちばん大切にしてる、お財布を、トットちゃんは、学校のトイレに落としてしまったからだった。お金は、ぜんぜんはいっていなかったけど、トイレに持っていくくらい、大切なお財布だった。それは、赤とか黄色とか緑とかのチェックのリボン地で出来ていて、形は四角いペタンコで、三角形のベロ式の蓋がついていて、ホックのところに、銀色のスコッチ?テリアの形のブローチみたいのがついてる、本当に、しゃれたものだった。だいたい、トットちゃんは、トイレに行って、用事が済んだ後、下をのぞきこむ、不思議なクセが、小さいときからあった。そのために、小学校に上がる前に、すでに、麦わらのとか、白いレースとかの帽子を、いくつも下に落としていた。今のように水洗いではなく、その頃は、汲み取り式で、下は水槽になっていたから、帽子はたいがい、そこに浮かんで、そのままになった。だから、ママは、いつも、「用事が済んでも、下を見ないこと!」と、トットちゃんに、いっていた。それなのに、この日、学校が始まる前にトイレに行って、つい、見てしまったのだ。その途端持ち方が悪かったのか、その大切なお財布が、“ポチャン”と下に落ちてしまい、トットちゃんが、「あーあ!!」と悲鳴をあげたとき、したの暗やみの、どこにも、もうお財布は、見えなかった。そこで、トットちゃんが、どうしたかって言うと、泣いたり、あきらめたりはしなくって、すぐ、小使いの小父さん(今の用務員さん)の物置に走っていった。そして、水まき用の、ひしゃくを、担いで持ってきた。まだ小さいトットちゃんには、ひしゃくの柄が,体の倍くらいあったけど、そんなこと、かまわなかった。トットちゃんは、学校の裏に回ると、汲み取り口を探した。トイレの外側の壁のあたりにあるかと思ったけど、どこにもないので、随分さがしたら壁から一メートルぐらい離れた、地面に、丸いコンクリートの蓋があり、それが、どうやら、汲み取り口らしいと、トットちゃんは判断した。やっとこ、それを動かすと、ポッカリ穴が開いて、そこは、紛れもなく、汲み取り口だった。頭を突っ込んで、のぞいてから、トットちゃんは、いった。「なんだか、九品仏の池くらい大きい」それから、トットちゃんの、大仕事が始まった。ひしゃくを中に、突っ込んで、汲み出し始めたのだった。初めは、だいたい落ちた方向のあたりをしゃくったけれど、何しろ、深いのと、暗いのと、上は三つのドアで区切ってあるトイレが、下はひとつの池になっているのだから、かなりの大きさだった。そして、頭を突っ込み過ぎると、中に落ちそうになるので、何でもいいから、汲むことにして、汲み出したものは、穴の周りに、つみあげた。勿論、一しゃくごとに、お財布が、混じってないか、検査をした。(すぐあるか)と思ったのに、どこに隠れたのか、お財布は、ひしゃくの中に入ってこない。そのうち、授業の始まるベルの鳴るのが聞こえてきた。(どうしようかな?)と、トットちゃんは考えたけど、(せっかく、ここまで、やったんだもの)と、仕事を続けることにした。その代わり、前より、もっと、頑張って、汲んだ。かなりの山が出来たときだった。校長先生が、トイレの裏道を通りかかった。先生は、トットちゃんのやってることを見て、聞いた。「なにしてんだい?」トットちゃんは、手を休める時間もおしいから、ひしゃくを、突っ込みながら答えた。「お財布、落としたの」「そうかい」そういうと、校長先生は、手を、体のうしろに組んだ、いつもの散歩の恰好で、どっかに行ってしまった。それから、また、しばらくの時間が経った。お財布は、まだ見つからない。山は、どんどん、大きくなる。その頃、また校長先生が通りかかって聞いた。「あったかい?」汗びっしょりで、真っ赤なほっぺたのトットちゃんは、山に囲まれながら、「ない」と答えた。先生は、トットちゃんの顔に、少し、顔を近づけると、友達のような声で、いった。「終わったら、みんな、もどしとけよ」そして、また、さっきと同じように、どっかに歩いていった。「うん」と、トットちゃんは元気に答えて、また仕事に取り掛かったけど、ふと、気がついて、山を見た。「終わったら、全部戻すけど、水のほうは、どうしたらいいのかなあ?」本当に、水分のほうは、どんどん地面に吸い込まれていて、この形は、もうなかった。トットちゃんは、働く手を止めて、地面に、しみてしまった水分を、どうしたら、校長先生との約束のように、戻せるか、考えてみた。そして、結論として、(しみてる土を、少し、もどしておけば、いい)と決めた。結局、うずたかく山が出来て、トイレの池は、ほとんどからになったというのに、あのお財布はとうとう出て来なかった。もしかすると、ヘリとか、底に、ぴったり、くっついていたのかも知れなかった。でも、もうトットちゃんには、なくても、満足だった。自分で、これだけ、やってみたのだから。本当は、その満足の中に、「校長先生が、自分のしたことを、怒らないで、自分のことを信頼してくれて、ちゃんとした人格を持った人間として、扱ってくれた」ということがあったんだけど、そんな難しいことは、トットちゃんには、まだ、わからなかった。普通なら、このトットちゃんの、してる事を見つけた時、「なんていうことをしてるんだ」とか「危ないから、やめなさい」と、たいがいの大人は、いうところだし、また、反対に、「手伝ってやろうか?」という人もいるに違いなかった。それなのに、「終わったら、みんな、もどしておけよ」とだけ言った校長先生は、(なんて、素晴らしい)と、ママは、この話をトットちゃんから聞いて思った。

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