第20章

小说:窗边的小豆豆(中文版+日文版)作者:[日]黑柳彻子字数:3549更新时间 : 2017-07-30 10:15:55

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授業の中に、はっきり入っていたわけではないけれど、校長先生の「俳句」の時間は、よくあった。トットちゃんの初めて作った俳句、「のらくろは 兵隊やめて 大陸へ行く」 ……自分の思ってることを、正直に句にしてごらん、と校長先生は言ったけど、トットちゃんの句は、俳句とはいえなかった。でも……“そのときトットちゃんが、何に関心を持っていたか”は、少なくとも、これでよくわかった。数えてみると、五?七?五ではなくて、五?七?七になっちゃったけど、一茶のおじさんだって、「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」では、五?八?七だから(いいや!)と、トットちゃんは思ったのだった。九品仏に散歩に行くとき。雨が降って、みんな外で遊べないで行動に集まったとき。トモエの小林一茶は、子供たちに、俳句のこと、また俳句を通して、人間について、自然について、考えることを教えた。そして、一茶の句はトモエに、合っていた。 雪とけて 村いっぱいの 子供かな(一茶)

    トットちゃんは、昨日、生まれて初めて、お金を拾った。どこで拾ったかといえば、それは、学校から帰ってくる電車の中だった。自由が丘から大井町線に乗って、次の、緑が丘の駅に着く前に、大きいカーブがあって、いつも電車がキキィーと傾くから、トットちゃんは昨日も、ちゃんと両足をふんばって、オットトット!なんて、ならないように準備していた。トットちゃんの立つ場所は、走ってる電車の最後尾の、進行方向に向かって右側のドア、といつもきまっていた。それは、自分の駅に着いたら、右が開くから、すぐ降りられるし、駅の階段に、一番近いのが、このドアだったからだった。さて、昨日のことだけど、キキィーとなった! と思ったとき、トットちゃんは足の近くに、ちょっと、お金みたいなものが落ちているのに気がついた。でも、前にお金だと思って拾ったら、ボタンだったこともあったから、(よく見てから、お金かどうか、考えよう)と思って、キキィーの後、電車が、まっすぐになってから、顔を近づけて、よく見てみた。それは、紛れもなく、お金で、五銭玉だった。その辺の誰かが落として、それが、傾いたときに飛んできたのかと思ったけど、そのとき、そこにたっているのは、トットちゃんだけだった。(どうしよう?……)そのとき、「お金を拾ったときは、すぐ交番へ」って、誰かが言ったことを思い出した。(でも、電車の中には交番は、ないじゃないの?)そのとき、最後部の車掌室にいた車掌さんが、ドアを開けて、トットちゃんのいる車両に入って来た。そのとき、どんな事が、トットちゃんの頭に浮かんだのか、トットちゃんは自分でも、よくわかんなかったけど、とっさに、その五銭玉の上に、右足を乗っけてしまった。顔見知りの車掌さんは、トットちゃんを見るとニコニコした。でもトットちゃんは、右足の下が気になって、心から笑うことはできなかったけど、少しは、笑った。そのとき電車は、トットちゃんの降りる駅のひとつ前の大岡山につき、反対側のドアが開いた。ところが、どういうわけか、いつもより大人がいっぱい乗り込んで来て、トットちゃんを押した。右足を動かすわけにいかないから、トットちゃんは必死に防いだ。防ぎながら、こう考えていた。(降りるとき、このお金を持って降りて、交番に届けることにする!)でも、また、そこで新しい考えが浮かんだ。(でも、足の下から、お金を取るとき、もし、大人が見たら、泥棒!と思うかもしれない!)その頃の五銭というお金は、小さいキャラメルが一箱か、板チョコが一枚、買えるくらいの金額だった。だから、大人にすれば、たいした額ではないけど、トットちゃんにとっては、大金だったから、とても心配になった。 (そうだ!「あっ!私、お金落としたから、ひろわなくちゃ」って小さい声で言ってから、拾えば、みんなが、私のお金だと思うに違いない!)  でも、またすぐ、違う心配の考えが浮かんだ。(もし、そんなこと私が言って、みんなが私を見たら、誰かが、「それは、おれのだ」って言うかもしれない。そしたら、怖くなっちゃう……)いろいろ思い巡らした結果、降りる駅の近くになったとき、しゃがんで、靴の紐を結ぶふりをして、そーっと、拾うことを思いつき、それに成功した。汗びっしょりで、五銭玉を手にプラットホームに降り立ったとき、トットちゃんは、とっても疲れたような気がした。そして、ここから、うんと違い交番まで、届けに行ったら、遅くなって、ママが心配する、と思った。だから、駅の階段をとんとんと降りながら真剣に考えて、こういうことにすることに決めた。(今日は、誰も知らないところにしまっておいて、明日、学校に行くとき持っていって、みんなに相談する。それに、お金拾った子なんていないんだから、「これが、拾ったお金!」って見せてあげなきゃ)それから、トットちゃんは、お金の隠し場所について考えた。家に持って帰ったら、ママが、「これ、どうしたの?」って聞くかもしれないから、家じゃないところ。そこで、駅のすぐそばの、木の茂みの中に、もぐってみた。そこは誰からも見られないし、誰かが入ってくる心配もなさそうで、とても安全に見えた。トットちゃんは、棒で小さな穴を掘り、その真ん中に、大切な五銭玉を入れ、土を充分にかけた。そして、目印に、形の変わった石を見つけてきて、その上にのせた。それからトットちゃんは、茂みを出ると、大急行で家に向かって、かけだした。その夜、いつもだと、「もう寝る時間よ!」とママに言われるまで、学校のことをしゃべるんだけど、あんまりしゃべらずに、早く寝た。そして、今日の朝!(なんだか、とても大切なことがあった!)と思い出したとき、トットちゃんは、とても、うれしかった。いつもより、少し早く家を出たトットちゃんは、ロッキーと、かけっこをしながら、しげみに、とびこんだ。「あった!あった!」昨日、トットちゃんが、ちゃんと置いといた、目印の石が、ちゃんと、そのままだった。トットちゃんは、ロッキーに、「いい物を見せてあげるからね」といって、石をどかして、そーっと穴を掘った。ところが、こんなに不思議な事は、またとない、と思うんだけど、あの五銭玉は、消えていた。トットちゃんは、こんなに、びっくりした事はなかった。“誰かが、隠すところを見てたのかな? ”とか、“石の動いたのかな?”とか、いろいろ推理をして、あっちこっち掘ったりしてみたけど、ついに、五銭玉は、どこからも出て来なかった。トットちゃんは、トモエのみんなに見せてあげられなくなったことが、とても残念だったけど、それよりも、「不思議!」と思うほうが強かった。その後も、そこを通るたびに、茂みに、潜って掘ってみたけど、二度と再び、あの、拾った五銭玉は出て来なかった。(もぐらが持ってったのかなあ?)とか、(あれは昨日の夢だったのかな?)とか、(神様が見てたのかな?)とか、トットちゃんは考えた。でもどんな風に考えてみても、これは不思議なことで、いつまでも、いつまでも、忘れられない不思議なことだった。

    今日の午後、自由が丘の改札口の近くのところで、トットちゃんより、少し大きい男の子が二人と、女の子が一人、ちょっと見ると、ジャンケンをしてるのかな?と思うような格好で話していた。でもよく見ると、それはジャンケンの、チョキとグー、パーより、いっぱい、いろんな形があったから、(とても面白そうだ!)と、トットちゃんは思って、近くに寄って、よく見てみた。三人は、話してるみたいだけど、声は出していなくって、一人、誰かが手を動かして、いろんな形をやると、次の誰かが、それを見ていて、すぐ、別の何か形を手で、いろいろやって、三人目が、少しやると、突然、とっても面白そうに少し声を出して、大笑いをしたりした。だから、トットちゃんは、しばらく見ているうちに、それは、手でお話しているのだとわかった。(私も、手でお話、できたらいいのになあ)と、トットちゃんは、うらやましく思った。で、仲間に入ろうか、と思ったけど、どうやって、手で、「私も入れて?」ってやるのかわからないし、トモエの生徒じゃないのに、お話したら失礼だと思って、トットちゃんは、三人が、東横線のホームの上がって行ってしまうまで、黙ったまま、それを見ていた。そして、いつか必ず、「私も、みんなと、手でお話しする人になる!」と、心の中で決めていた。まだ、トットちゃんには、耳の不自由な人がいる、という事や、その子達が、トットちゃんと同じ大井町の終点の、大井町にある、府立の、聾唖学校の生徒だ、という事も、わかっていなかった。

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