第30章

小说:窗边的小豆豆(中文版+日文版)作者:[日]黑柳彻子字数:3506更新时间 : 2017-07-30 10:15:56

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口の中で、ガサガサする、その皮は、にがくも、なんともなかった。「わーい、私は、元気です!!」ママは、笑いながら、いった。「そうよ。元気よ。だから、どうしたの?」トットちゃんは、説明した。ママも、まねをして、皮を噛んでみて、そして、いった。「にがくないわ」「じゃ、ママも、元気!」それから、トットちゃんは、ロッキーのところに行き、口のところに、皮を、差し出した。ロッキーは、まず、においをかぎ、それから、舌で、なめた。トットちゃんは、いった。「噛むのよ。噛めば、病気かどうか、わかるんだから!」でも、ロッキーは、噛もうとはせず、耳の後ろを、足で、書いた。トットちゃんは、木の皮を、ロッキーの、口のところに、もっと近づけると、いった。「ねえ、噛んでみて?病気だったら、大変なんだから!」ロッキーは、仕方なさそうに、皮の、ほんの、はじのほうを噛んだ。それから、また、においをかぐと、別に、いやだという風も見せず、大きく、あくびをした。「わーい。ロッキーも、元気です!!」次の朝、ママは、二十銭、おこづかいを、くれた。トットちゃんは、真っ先に、校長室に行くと、木の皮を、差し出した。校長先生は、一瞬、「これは、なんだろう?」という風に皮を見て、それから、次に、トットちゃんが、大切そうに、手を開いて、握っていた二十銭を先生に渡そうとしてるのを見て、思い出した。「噛んで?苦いと、病気!」校長先生は、噛んでみた。それから、その皮を、ひっくり返したり、よく見て、調べた。「苦いの?」トットちゃんは、心配そうに、校長先生の顔を、のぞきこんで、聞いた。「いいや、何の味も、しないよ」それから校長先生は、木の皮を、トットちゃんに返すと、いった。「先生は元気だよ。ありがとう」「わーい、校長先生も元気!よかった!」トットちゃんは、その日、学校中のみんなに、その皮を、かたはしから、噛んでもらった。誰もかれも、苦くなくて、元気だった。トモエのみんなは、元気だった。トットちゃんは、うれしかった。みんなは、校長先生のところに、口々に、(自分は、元気だ)という事を、報告にいった。そのたびに先生は、いった。「そうかい、よかったな」でも、群馬県の自然の中に生まれ、榛名山の見える、川のほとりで育った校長先生には、わかっていたに違いない。(この皮は、誰が噛んでも、苦くなることは、決して、ない)と。でも、みんなが、「元気!」とわかって、喜ぶ、トットちゃんを、先生は、うれしいと思った。もしも、誰かが、「苦い!」といったら、その人のために、トットちゃんが、どんなに心配する、というような、優しい子に育っている事を、先生は、うれしい、と思っていた。その頃、トットちゃんは、学校の近くを通りかかった野良犬の口に、その皮を、つっこんで、噛みつかれそうになっていた。でも、トットちゃんは、負けないで叫んでいた。「病気かどうか、すぐ、わかるのに、ちょっとだけ、噛んでみて?あんたが、元気だってわかったら、それで、いいんだから!」そして、見知らぬ犬に、その皮を、噛ませる事に、トットちゃんは、成功した。犬の周りを、とびはねながら、トットちゃんは、いった。「よかった。あんたも、元気でーす!!」犬は頭を下げて、恐縮してるような恰好で、どっかに走って、見えなくなった。校長先生の推察どおり、このあと、あの、お兄さんが、二度と、自由が丘に姿を現すことは、なかった。でも、トットちゃんは、毎朝、学校に行く前に、まるで、ビーバーが必死に噛んで、ボロボロになったような皮を、大切そうに机の引き出しから出して噛んでは、「私は、元気でーす!!」といって、家を出て行くのだった。そして、本当に、トットちゃんは、元気なのだった。ありがたいことに。

    今日は、新しい生徒がトモエに来た。小学校の生徒にしては、誰よりも背が高く、全体的にも凄く大きかった。小学生というよりは、「中学生のお兄さんみたいだ」と、トットちゃんは思った。着てるものも、みんなと違って、大人のひと、みたいだったし。校長先生は、朝、校庭で、みんなに、この新しい生徒を、こう紹介した。「宮崎君だ。アメリカで生まれて、育ったから、日本語は、あまり上手じゃない。だから、ふつうの学校より、トモエのほうが、友達も、すぐ出来るだろうし、ゆっくり勉強できるんじゃないか、という事で、今日から、みんなと一緒だよ。何年生がいいかなあ。どうだい、タアーちゃん達と一緒の、五年生じゃ」絵の上手な、五年生のタアーちゃんは、いつものようにお兄さんらしく、いった。「いいよ」校長先生は、にっこり笑うと、いった。「日本語は、うまくない、といったけど、英語は得意だからね、教えてもらうといい。だけど、日本の生活に馴れていないから、いろいろ教えてあげてください。アメリカの生活の話も、聞いてごらん。面白いから。じゃ、いいね」宮崎君は、自分より、ずーっと、小さい同級生に、おじぎをした。タアーちゃん達のクラスだけじゃなく、他の子も、みんな、おじぎをしたり、手を振ったりした。お昼休みに、宮崎君が、校長先生の、家のほうに行くと、みんなも、ゾロゾロついて行った。そしたら、宮崎君は、家に上がるとき、靴を履いたまま、畳にあがろうとしたから、みんなは、「靴は、脱ぐの!」と大騒ぎで、教えてあげた。宮崎君は、びっくりしたように、靴を脱ぐと、「ゴメンナサイ」といった。みんなは、口々に、「畳は脱ぐけど、電車の教室と、図書室は、ぬがなくていい」とか、「九品仏のお寺の、お庭はいいけど、本堂は、ぬぐの」とか、教えた。そして、日本人でも、ずーっと外国で生活していると、いろんなことが違うのだと、みんなにも、よくわかって、おもしろかった。次の日、宮崎君は、英語の、大きい絵本を、学校に持って来た。お昼休みに、みんなは、宮崎君を、何重にも、とりかこんで、その絵本を、のぞきこんだ。そして、おどろいた。第一に、こんな、きれいな絵本を見た事が、なかったからだった。みんなの知ってる絵本は、普通、色が、真っ赤、とか、緑色とか、まっ黄色という風なのに、この絵本の色は、薄い肌色のようなピンクとか、水色でも、白い色や、グレーが、混ざっているような、気持ちのいい色で、クレヨンには、ない色だった。二十四色のにもない色で、タアーちゃんだけが持ってる四十八色のクレヨンだって、ないような色がたくさん合った。みんなは、感心した。それから、次に、絵なんだけど、それは、おむつをした、赤ちゃんが、犬に、おむつを、引っ張られているところから始まっていた。だけど、みんなが感心したのは、その赤ちゃんが、描いたみたいじゃなく、ピンク色の、やわらかそうな、お尻を出して、本当に、そこにいるみたいだったからだった。そして、第三に、こんな大きくて、厚い、しかも、紙のいいツルツルの絵本を見るのは、初めてだった。トットちゃんは、もちろん、いつものように、抜け目なく、一番、絵本に近く、しかも、宮崎君の、そばに、人なつっこく、くっついていた。宮崎君は、まず、英語で文章を読んでくれた。それは、とてもとても、滑らかな言葉で、みんなは、うっとりした。それから、宮崎君は、日本語と、格闘を、はじめた。どっちにしても、宮崎君は、みんなと違うものを、トモエに、運んで来てくれた。\ 「赤チャンハ、ベイビィー」宮崎君のいう通り、みんなは、声を出した。「赤ちゃんは、ベイビィー!!」それから、また、宮崎君はいう。「ウツクシハ、ビューティフル」「美しいは、ビューティフル」みんながいうと、宮崎君は、すぐに、自分の日本語を訂正した。「ゴメンナサイ、ウツクシ、チガウ、ウツクシイ?」こうして、トモエのみんなは、宮崎君とすぐ親しくなった。宮崎君も、毎日、いろんな本を学校に持って来ては、お昼休みに読んでくれた。だから、宮崎君は、みんなの、英語の家庭教師という風だった。でも、そのかわり、宮崎君は、みるみるうちに、日本語が、上手になった。そして床の間にも、腰をかけたり、しなくなった。トットちゃん達も、アメリカについて、いろいろ知った。トモエでは、いま、日本と、アメリカが親しくなり始めていた。でも、トモエの外では、アメリカは敵国となり、英語は、敵国の言葉ということで、すべての学校の授業から、はずされた。「アメリカ人は、鬼!」と、政府は、発表した。このとき、トモエのみんなは、声を揃えて、叫んでいた。「美しいは、ビューティフル!」トモエの上を通り過ぎる風は暖かく、子供たちは、美しかった。

    「芝居だ!

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